2012年

2月

23日

多摩市の特別養護老人ホームで災害時の食事提供訓練

台車に物資を乗せフロアを急ぐ介護職員
台車に物資を乗せフロアを急ぐ介護職員

 平成24年2月23日、多摩市の特別養護老人ホームにて災害時を想定した利用者への食事提供訓練が行われました。多くが避難訓練や消火訓練を行っている中、こうした食事をいかに早く提供できるかという視点での訓練は珍しく貴重な取組みと言えます。

 訓練では、発災後のライフライン不通、栄養士が不在の中、いかにはやく1回目の食事が提供できるかが目標とされました。刻みやミキサー食が必要な方への配慮も必要です。また、ごみも最小限に抑える必要があります。

 2月23日午前5時に多摩直下型地震が発生した想定で訓練が行われました。災害対策本部が設置され、様々な状況の確認、指示がなされ、4人の介護職員による食事提供が行われることになりました。まず、倉庫に食糧物資を取りに行きます。倉庫の中の電気がつかないため、懐中電灯を持ってヘルメットをつけて取りに行きました。また、エレベータも使えないため、食糧の入った段ボール抱え階段を何回か往復します。

 

 居室のある回のオープンスペースに行くと食事を待つ高齢者がいました。レトルトパックを切るだけで用意ができる、簡易な非常食を選定していますが、それでもフロアに物資が届いてから高齢者に食事が提供できるまで30分ほどかかりました。

 

開封されるレトルトの食事。この作業に多く時間をとられる。
開封されるレトルトの食事。この作業に多く時間をとられる。

 以前、この施設では、アルファ化米を中心とした災害時の献立を考えていました。しかし、実際に詳しく検討してみると、35名分の食事で水が11リットルも必要ということになり、また、火力も不足している事実が浮き彫りになってきました。必要な備蓄はしていたものの、どのように提供するかまでは想定していませんでした。そこで、思い切ってアルファ化米による食事から水がなくても提供できるレトルトの食事(食器同梱)に変更。これであれば、誰でも封を切るだけで食べることが出来ます。

 ゴミも以前はアルファ化米のほかに缶詰が多くありましたが、それらも変更し、大幅にごみを少なくすることが出来ました。

 また、食事提供の考え方も「朝・昼・夜」から「1回目・2回目・3回目」と回数で考えるように変えました。そうすることで、いつ災害が起きても、混乱することなく、食事の提供ができます。

 

 しかし、こうした対応を事前に取ったとしても、食事の提供に30分ほどかかる事実を目の当たりにして、改めて災害時の食事提供について真剣に考える必要があると感じました。これまでほとんど行われてこなかった訓練なので、しっかりと学んでいく必要があります。

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